冷凍魚の解凍を塩水でおこなうことで、
解凍してもうまみと栄養分が失われずに
おいしく食べることができる。
塩水を使った解凍方法、
処理方法と保存方法を
詳しく解説する。
魚の解凍には塩水がおすすめなワケ…冷凍魚の処理の仕方を公開!
冷凍魚の解凍には濃度3%の塩水を使用することで
うま味と栄養分を逃がさずおいしく食べることができる。
海の魚は自分の体内よりも塩分濃度の濃い海の中で生活しているため、
体内に取り込んだ海水の塩分をエラから出すことで
体内の塩分濃度を調節している。
これを浸透圧調整という。
死んでしまった魚は浸透圧調整ができないため真水につけると、
浸透圧の高い魚の身から浸透圧の低い真水へと塩分が流出してしまい、
それと同時に旨味や栄養分が水へと流れ出てしまう。
冷凍の魚を常温で放置していると皿に赤い液が溜まるが、
あれも同じで解凍することにより魚から水分が流れ出て
うま味と栄養分が失われてしまう。
これをドリップという。
ドリップが起こらないためには
解凍する水の塩分濃度を海水と同じ
約3パーセントにする必要がある。
そうすることにより
魚のうま味と栄養分を逃がさずに解凍できるのだ。
解凍方法、処理の方法と保存方法
用意するものは以下の4つ
・37度前後で塩分濃度3%のお湯
・水1リットルに対して大さじ2杯の塩
・解凍用の容器(大き目のタッパーでよい)
・清潔な布巾
解凍方法
1.大き目のタッパーに冷凍魚を入れて、
そこに37度前後のお湯(塩水)を魚がつかるようたっぷりと注ぐ。
2.魚をそのままお湯の中に30秒から1分放置する
(このときお湯の温度が熱すぎると魚の表面が白くなってしまうので要注意)。
3.魚をお湯から出して硬く絞った清潔な濡れ布巾で表面の水気を軽くふき取る。
4.濡れ布巾で魚を包んで冷蔵庫に入れて解凍する。
目安は小さいサイズで20~30分、大きいサイズで1時間~2時間。
保存方法
魚を解凍したあとの保存方法は
ドリップと雑菌の繁殖に気をつけてチルド室に保存する。
1.水気が魚に残っているとドリップが進んで
うま味と栄養が流れ出てしまうので、
保存の前にきれいな付近で魚の水気をふき取る。
2.生魚は空気に触れると雑菌が繁殖して腐りやすくなる。
魚をラップで隙間なくくるんで、ジップロックに入れて
しっかりと空気を抜いて密封する。
3.チルド室がついている冷蔵庫の場合は、
チルド室に保存することで他の冷蔵庫内に比べて温度が低いので
生ものの鮮度を落とさずに保存をできる
焼き魚の冷凍の方法は?おいしい作り置きの仕方プロが解説!
焼き魚を冷凍!?たくさん作ってそのまま冷凍庫で作り置き!!
生魚だけではなく
解凍してもおいしく食べられる焼き魚の
冷凍保存の方法も解説していく。
焼き魚は正しい方法で冷凍しなければ
解凍した時に水っぽくなってしまったり、
乾燥してパサパサになってしまうので
注意が必要だ。
プロの料理人が伝授する以下の方法で保存すれば、
忙しいときや、夜遅く帰宅して早く晩ごはんを作りたいときに、
冷凍した焼き魚をレンジで温めるだけで
晩ごはんのおいしいおかずになる。
1.最初のポイントは焼く前に魚の表面の水気をしっかりと取ること。
表面に水分が残っていると、出来上がったに臭みが残ってしまったり、
出来上がりが水っぽくなってしまうことの原因になる。
2.粗熱をとってからラップで隙間なくくるむ。
魚があったかいままラップでくるんでしまうと、ラップの中に水分が残り、
解凍したときに、水っぽくなってしまいおいしくない。
3.ジップロックに入れて空気を抜いて密封する。
保存期間は2~3週間。
まとめ
・冷凍魚の解凍は塩水を使うことで
魚本来のうま味と栄養分を逃がさずに解凍できる。
・生魚の解凍時に赤い液体が出ることをドリップという。
・ドリップを防ぐには37度のお湯を塩分濃度3%にして
そこに冷凍魚を30秒から1分間つける。
・お湯から出した後は水気をふき取って、
清潔な布巾で包み冷蔵庫で解凍させる。
・解凍魚を冷蔵保存するときは
ラップとジップロックで密封してチルド室で保存する。
・焼き魚を冷凍保存する場合には
粗熱をとってからラップとジップロックで
密封して保存する。
・焼き魚を焼く前には
必ず表面の水気をしっかりと取る。
自分も学生時代居酒屋で働いていたときに
実際この方法で冷凍マグロの解凍をおこなっていた。
食べ比べてみるとわかるが
ドリップしている魚としていないのでは
味の差は歴然だ。
自宅でも簡単にできる解凍方法なので
ぜひ参考にしていただきたい。