感謝の気持ち伝える俳句を
結婚記念日に互いにプレゼントする。
最近年配の夫婦の間でひそかなブームとなっている。
熟年離婚が年々増加傾向にある中で、
一家和楽の決め手は感謝の言葉を言い合うこと。
俳句を使った面白く一味違う思い出作りと、
夫婦円満、仲直りの秘訣を紹介する。
感謝を伝える俳句で記念日を彩る夫婦に聞く一家和楽の秘訣とは?
埼玉県所沢市に住む横山さんご夫妻は、
15年間に渡り結婚記念日に
感謝を伝える俳句を互いにプレゼントしている。
日頃なかなか伝えることのできない感謝の気持ちを
特別な日に伝えあっている。
口に出せない言葉でも俳句のリズムに乗せて文字にすることで
素直に表現できると三郎さんは言う。
15年前、仕事一筋、家庭を顧みない三郎さんは
妻の幸代さんに離婚を切り出された。
三郎さんはショックを受け、
自身の今までの自分勝手な行動を反省して、
妻に謝罪の気持ちを伝えようとするも
中々言葉で表現することができなかった。
悩んだ挙句、三郎さんは友人にそのことを相談すると、
近所で俳句教室が開かれており、そこで身近な人に気持ちを伝える
「俳句で感謝を伝える会」という
俳句教室が開かれていることを教えてもらう。
早速入会した山田さん。
俳句なんて簡単だろうと思っていた山田さんだが
いざ書こうとしても言葉が浮かんでこない。
今までさんざん苦労を掛けてきた幸代さんに
感謝の俳句もかけないのかと思うと
申し訳ないやら、悔しいやらで
涙が出てきたという。
俳句教室に通いだしてからの三郎さんの変化について幸代さんは、
まるで別人のように変わったと笑いながら言う。
週末には三郎さんが幸代さんに手料理をふるまうようになり、
三郎さんの心の変化は少しずつ行動へと表れていった。
幸代さんの方も仕事一筋真面目に頑張ってきた三郎さんに対して
離婚を切り出すという自分勝手な行動を反省。
その年の結婚記念日に
新婚旅行で行った北海道の小樽へ2人で旅行へ行き、
互いに俳句をプレゼントしあうことを提案した。
俳句との出会いによって離婚の危機を免れた2人。
結婚15年目の今年も、
感謝の気持ちを俳句にのせて送りあう。
そんな横山夫妻の一家和楽の秘訣は、
感謝の気持ちをもって互いが接しあうこと。
そうすることで昔のように相手のせいにすることもなくなり
相手の失敗をとがめる気持ちもなくなっていったという。
幸代さんは「私たちは毎年結婚指輪ならぬ
「結婚俳句」をプレゼントしあうことで、
また新しい気持ちで1年間夫婦仲良く暮らしていけるんだ」
と恥ずかしそうに言った。
感謝の言葉を俳句にすることで一味違う思い出になる?
日頃なかなか伝えることのできない
感謝の言葉を俳句にのせて伝える。
とても素晴らしいアイディアである。
俳句とは世界最短のポエムと言われ、
五七五の旋律の中に
情景や想いを込める。
また、平安時代には男女がお互いの気持ちを伝えあうために
俳句をコミュニケーションの手段として用いられてきた。
手紙のように文章にしてしまうと、
まとまりがなくなり、せっかく伝えたかった想いも
相手に届かないなんてこともあるだろう。
一方俳句は、シンプルに自分の想いを
五七五のリズムにのせて伝えることができ
相手に気持ちが直接伝わりやすい。
俳句といって難しく構えず
自分の思いを素直に言葉にして表現できれば、
今までとは一味違う人生の味わいを
感じられるのではないだろうか。
夫婦の思い出作りに、そして夫婦げんかの仲直りに、
俳句を通して日頃口に出せない
「ありがとう」を伝えてみると
今まで以上に夫婦関係がよくなるだろう。
また、自分の気持ちを素直に表現する力が身につくことで
感受性がはぐくまれ、
人生より一層豊かにしてくれるはずだ。
まとめ
・夫婦どうしが記念日に俳句を互いにプレゼントしあうことが
中高年のカップルの中で密かなブームとなっている。
・文章では伝わりにくい感謝の気持ちも、
俳句にすることで想いが届きやすくなる。
・夫婦和楽の秘訣は感謝の気持ちをもって
お互いが接しあうこと。